アラサー元百貨店マンの思考整備工場

都内大学→新卒百貨店→広告代理店。人生2周目を迎えた名もない人間の物語を書きます。

会社内右派・左派【大企業とベンチャーの違い】

今回は、大企業→ベンチャー企業(中小企業)という転職をした僕が感じた違いの一つである、ベンチャー企業では左派勢力が存在しないに等しい」というテーマで書いていこうと思います。

結論は「ぼくは『圧倒的その他』に居続ける」です。

 

右派・左派って知ってる?

 

政治的立場を表す言葉で、「右翼・左翼」をよりマイルドにした言い方。

  • 右翼(右派):保守的。古くからの伝統や習慣を重視する。資本主義的。自由主義的。
  • 左翼(左派):革新的。伝統的な考えに縛られず、平等な社会を目指す。社会主義的。

フランス革命期の議会で、議長席から見て左側に急進派、右側には保守派が座ったことに由来。

 

※大学受験のときに政治・経済選択でしたが、改めて書籍を読んで勉強し、自分の言葉でまとめてみました。時代や国、場合によって定義が変わる言葉なので、このまとめ方が間違っている場合も往々にしてあり得ます。

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これを会社の中の話に落とし込み、定義します。

  • 会社内右派:会社の伝統的な経営を支持。
    (設立から日が浅いベンチャー企業では必然的に与党。現政権に対して協力的。)
  • 会社内左派:会社の経営について革新を求める。
    (設立から日が浅いベンチャー企業では必然的に野党。現政権に対して批判的。)

 

 

社内左派が大きな力を持つ大企業

※ここかからは、というかこの記事全部、大企業1社、ベンチャー企業1社しか経験していない計2社しか経験していな僕の主観によるものということをご理解ください。

 

ぼくが今年経験した転職を、会社の規模の面から端的に表すと下記のようになります。

  • 売上:1兆円規模→10億円規模(約1,000分の1)
  • 従業員:1万人規模→数十人規模(約200分の1)

 

前職の場合、組織が大きく全国に店や事務所があり、人数的要因、地理的要因という多数の勢力(派閥)が存在するのに必要な要因が揃っていました。

 

(とはいえ、一人の社長の下にすべての社員が集う企業として、「上が決めたことは必ず実施しなければいけない」という中央集権的・官僚制的な側面ももちろん持っていました。)

 

自分がもともといた職場を思い出してみても、
現政権に対して批判的な立場を取る部長・次長クラスの方もたくさんいました。
つまり、そのようなスタンスでいても、ある程度までは出世できるということです。

 

また、労働組合という会社公認の左派勢力が力を持っていることも大企業の特徴です。

厚生労働省の調査によると、労働組合の推定組織率は、全体では16%であるのに対し、1000人以上の大企業が41.8%と、数値には大きな開きがあります。

《参考》

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令和2年労働組合基礎調査の概況-厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/20/dl/gaikyou.pdf

 

僕の前の会社では、各支部で毎月、労使会議が行われています。

例えば、コロナ禍になった際、店の営業時間や、毎期の賞与の額についても、経営陣と労働組合で協議・交渉を行い、妥結をしてから決定していました。

 

労働組合があることにより、経営陣に対し、批判的な意見・空気を醸成する土壌ができているということが言えるのではないでしょうか。

 

社長としゃべったことある?

ベンチャー企業では左派勢力が存在しないに等しい。

これは転職して思ったことです。
基本的には、現政権に対して、社員は一義的な意見を持っています。

分析するに、やはり、人数的要因と地理的要因が関係関係していると思います。

 

僕の今の会社では、同じフロアに社長室があり、エレベーターで社長と一緒になることもありあります。

しかし前職でこんなことは考えられませんでした。

入社式でしゃべるチャンスがあるかどうかという程度で、
ぼくは前職の在籍中、一回も社長としゃべったことはありませんでした。

 

社長や役員が同じフロアにいる中、会社に対して批判的な会話を社内でするのは、
心理的にも無意識のうちに抑制がかかるのは想像に難くありません。

 

よって、心の中で思っている会社の批判的な気持ちを他の社員と話して、共感し、より強い世論に昇華していくことは起こりにくいのではないでしょうか。

 

エセ左派を気取って研修中に寝ていた前職新人時代

恥ずかしい話ですが、ぼくはもともと就職活動が納得感のないまま入社してしまったこともあり、エセ左派を気取っていました。

具体的には、

  • 入社式の偉い人の話を聞きながら、「これはダメだ、長くこの会社にはいられない」と勝手に思い、入社式のその日のうちに転職サイトに登録する。
  • どうせすぐ会社をやめるから同期と仲良くする意味もない、と思い、同期の飲み会に行くのを控える。
  • 学力的には同期の中でトップ層だったこともあり、また、人の話を長い時間聞くことが苦手(眠くなってしまう)なため、座学の研修中に居眠りをしてしまう。または寝ないために数学の公式の証明を解く。(が筆記テストでは1位、じゃなくても上位)
  • もともと気を利かすことが苦手ではあるが、新人が気を利かせて進んでやらなければいけない仕事に気づけなくても、「自分は自分だ」という謎の信念で、あきらめる。

 

などなど、今考えるとダサくて、恥ずかしい奴でした。

本当の左派というのは、組織や社員のことを真剣に考えて、組織をただし方向へ導く信念の持っている人のことを言うのだと思います。

このように組織を変革する覚悟がないまま左派を名乗ると、ただのダサい奴になってしまいます。

 

では、ぼくはどうするか。

以上を踏まえて、ぼくは今の会社でどのポジショニングを取るのか。

結論は「ぼくは『圧倒的その他』に居続ける」です。

 

ぼくは今の会社の雰囲気に自分の体をすべて委ねることができるかと言われれば、無理だし、転職してきた身として、寧ろ違和感を感じることもある。

かといって会社がどのような姿になっていけばいいのかというビジョンがあるわけでもない。

だからぼくは、右派でも左派でもない『圧倒的その他』に居続け、自分の目の前の仕事に取組みながら冷静に会社を見ていこうと思います。


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画像は11月に奥多摩に旅行に行ってきたときの「払沢の滝」

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サウナとマインドフルネス瞑想の話

いまさらですが、「ととのう」について語ろうと思います。

 

「ととのう」とは

いわゆる「ととのう」とは、サウナ→水風呂→休憩→サウナ→、、、を繰り返していると、 休憩中にリラックス状態が極限に達し、多幸感や恍惚感を覚える宙に浮くような、なんともいえない感覚のことをさします。

これはいわば「身体的な『ととのう』」です。この感覚を意図的に作りだすのは至難の業で、 僕もまだ打率が低く、毎回のように作りだすには、鍛錬が必要と言われています。

しかし、ぼくはついに「精神的な『ととのう』」は自分でコツさえつかめれば、容易に作り出すことに気づきました。

精神的な「ととのう」

ぼくが言う「精神的な『ととのう』」とは、今ここに意識が向かい、頭がすっきりしている状態のことで、今世界中で流行っているマインドフルネス瞑想の「マインドフルネス状態」と同じ意味です。 


サウナにはまって2年弱、ようやくサウナと瞑想はとても相性が良いことに本当の意味で気づきました。 

 

「精神的な『ととのう』」に達するコツ

「精神的な『ととのう』」に達する方法は人それぞれ違うと思うのですが、僕のおすすめの方法は、 サウナ→水風呂→休憩(外気浴)を繰り返す中で、「~しなくてはならない」といった考えを一切捨てると決める、ということです。 「呼吸に集中しなくてはいけない」「息は鼻から吸って口からは吐かないといけない」「なにも考えてはいけない」「サウナは何分になるまで出てはいけない」のような縛りを一切外しながらサウナに入ることで、「精神的な『ととのう』」に達することができます。

 

たまにはこういう話も....

 

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2年後の君へ

 

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進撃の巨人1話目 諫山創講談社

あと2か月で28歳になります。

ついに30代が背後に迫ってきたということで、今回は、
「Willだけでチャンスをもらえた20代、Canが求められる30代」というテーマで書いていきたいと思います。

 

キャリアの希望がほぼ通ってきた20代

 

ぼくは幸運にも、自分の軸が明確になっていなかった新卒の就活時を除き、それ以降のキャリアについてはほぼ自分の希望通り部署異動や転職をすることができました。

 

・百貨店入社後の配属時
→自分の希望していた食料品部門に配属

 

・入社3年目のジョブローテーション時
→自分の希望通りの販促系部門に異動

 

・社会人5年目の転職時
→希望していた企画・WEBマーケティング、商品開発に携われる会社・部門に転職

 

希望通りになった要因として、もちろん運もありますが、自分のWillを明確にして、
それを言葉と行動で示し、伝えることができたということがあげられます。

 

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Canが求められる30代

ただ、「20代」という年齢が要因の大前提にあることは間違いないと思います。

いくらWillを明確にしたからといって、例えば未経験業界・職種に、40代が採用されることはなかなかないでしょう。

ぼくは、周りがたとえWillが明確でなくてもとりあえず仕事をしてCanを増やしていた20代の前半~中盤を、
販売職をしながら何よりも優先してWillを明確にすることに費やしました。

その戦略自体は間違いではなかったと考えています。

ただその結果、自分の専門性が貧しいことも事実です。

 

「20代」という数字にはポテンシャル・期待が込められています。

そのブランドなくなる30代まであと2年‼

それまでにCanを少しでも増やして、
2年後の自分にちゃんと顔向けできるような2年間を過ごそうと決意した今日一日でした。

 

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ShouldとMustの間にある仕事をやり続けるためには

今回は、「なぜ同じ給料なのに、より良く働くのか」というテーマで書いていきたいと思います。

結論から言うと、

「モチベーションの源の種類には『待遇(内部/外部)』・『仕事内容』・『善』に加えて『義理(会社・人)』があり、自分がどれで動いているのか自覚することが大切。」

です。

 

「より良く働く」とは

まず、「より良く働く」という言葉が曖昧なので、下記のように定義します。

 

より良く働く=「ShouldとMustの間にある仕事」を進んでやること

 

日本語に直すと、「やったほうがいいんだけど、やらなければいけないわけではない仕事」です。

より良く働くとは結論、こういう仕事を進んでやること、だと思います。

そして会社の中では、一般的にこういう仕事をすることが善とされている、のではないでしょうか。

 

さらに「やったほうがいいんだけど、やらなければいけないわけではない仕事」とはどういう仕事か突き詰めると、

・誰がやるか(Who)

・いつやるか(When)

・どの程度やるか(How)

 

が明示されていない仕事、ということだと思います。

こういう仕事、職場にたくさんありますが、大きく2種類に分けられます。

①主に年次が下の人がやるとされている系の仕事

・会議の日程調整をする。
・会議室を準備する。
・会議の資料を準備する。
・議事録を書く。
・コピー用紙を補充する。
・エレベーターのボタンを押す。
・水を注ぐ。
・メニューを渡す。
・飲み会の幹事をする。

など。

②重要であるが緊急ではない仕事
・始業時間になる前の仕事の準備
・仕事に関する知識を身に着ける勉強
・フィールドワーク的な仕事の勉強
 (小売店勤務であれば休みの日にもほかのお店を見にいくなど)
など。

 

①が苦手だった新入社員時代

ぼくは②は自然とできることが多いものの、①は苦手で、特に社会人になってまもない頃はとても苦手でした。
理由は、

・空気、状況を読むことが苦手。
・「優等生ぶっているように見える」自分が嫌い。
・やった後に間違っていたときが恥ずかしい。

みたいなところでしょうか。今となってはしょうもないと思える理由ですが、
学生から社会人になるとき、ぼくにとっては乗り越えるべき大きなハードルでした。

 

「ShouldとMustの間にある仕事」をやり続けるためには

 

ここからはぼくの意見です。

「ShouldとMustの間にある仕事」をやり続けるためには、
自分がその仕事をするモチベーションを意識することが大切だと思います。

 

「ShouldとMustの間にある仕事」をする理由は人それぞれあります。

例えば、

『善』
・仕事とはそういう仕事をまじめに取り組むものだという考えに従っている。

 

『待遇』(内部・外部)
・やって評価されることで、将来良い待遇を受けたいから。(内部)
・やらないことで評価されず、将来良い待遇を受けられなくなるのが嫌だから。(内部)

・やって評価されることで、社会的なステータスを維持・向上することができるから。(外部)

 

『仕事内容』
・やることにより上司や周りからの信頼を得て、将来的に自分のやりたい仕事ができるポジションに行くため。

 

などです。

さらに、一般的に想像される上記に加え、『義理』があるのではないかと気づきました。

『義理(会社・人)』
・愛着がある会社のために頑張る。(会社)
・自分を引っ張てくれた恩がある特定の社内の人(上司など)のために頑張る。(人)

 

 

ぼくのモチベーションは、この中でいうと、
圧倒的に『仕事内容』と『義理(人)』です。

『待遇』を重視するならそもそも新卒で百貨店を選ぶような就活をしていませんし、
『善』という社会通念もクソくらえというタイプだし、会社に『義理』を感じるような会社内右派でもありません。

自分が仕事をするモチベーションは「やりたいことをすること」ほかなりません。
ただ加えて、自分を希望の部署に引っ張てくれた前職の上長や、採用してくれた現職の上長に対して「期待に応えたい」という思いも、強く存在していた・いることも事実です。

 

「ShouldとMustの間にある仕事」に足が向かなくなったときは、
自分のモチベーションに立ち返り、そのためになら何でもやろうと思い直すことで、これからも頑張ろうと思います。


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すべてが壊れた夜に

ブログを第二・四日曜日に公開すると自分で決めていたが、
先週は時間管理がうまくいかず公開することができなかった。

いま他に書いている少しボリュームがある記事なので、とりあえずそれは10月4週に回し、
今回は今思っていることを吐き出す雑記回にしようと思う。

 

 

睡眠時間を本気で7時間取りに行く

睡眠はぼくのここ2年くらいのぼくの最大の関心事の1つである。

下記のような本を読んだりして実際に睡眠習慣を改善しようと頑張った結果、安定して6時間睡眠をとれるようになったが、まだ改善の余地があると感じている。

 

 

睡眠について関心を持つことになったきっかけは1年前ごろ、「睡眠時間を減らして仕事のパフォーマンスを上げられる段階の天井に達した感」を感じとることがあったからだ。

睡眠時間を減らして仕事の準備・勉強をしていると、「最初の段階は確かに効率は上がるのだが、ある一定の段階を超えると、睡眠時間を増やしたほうが効率の上り幅が大きくなる。」というのが僕の経験知である。

最近も実感することが多くあった。ぼくは6時間の睡眠では足りないらしい。

ということで、起床時間の7時間半前に布団に入り、7時間取る、ということを目標にしようと思う。

 

悔しい感情に飲み込まれる

最近、仕事上で悔しい感情に飲み込まれる機会が多くあった。

・自分がしっかり準備できていればできていたこと

・落ち着いて考えれば普通にわかったこと

・それが自分の実力だと思われること(いや、それが実力なんだけど)

 

「フロー」と「ストック」という考え方があるが、

自分は圧倒的な「ストック人間」だ。

学生ときから、運動にしろ勉強にしろ、フローの力(=才能、その場の瞬発力)が驚くほどなく、
勝負が周回遅れから始まることが多かった。

負けず嫌いな僕は、その欠点を持ってしても勝とうとしたため、

「戦略を立てる力」、「地道に実行し続ける力」、

が自然と身についた。

 

フローの力がない者の勝ち筋は、

・圧倒的に知識をつける

・勝負が始まる前の準備を徹底的にする

だ。つまり、「ストックの力で勝負する」ということ。

 

今一度、このことを肝に銘じて、

愚直に、自分のやるべきことをやろうと思う。

 

 

すべてが壊れた夜に

 

 

ちょっと悩んだときとか、落ち込んだとき、いつも思い出す記憶がある。

社会人2年目のときの話。

当時、ぼくは人生の軸、特にキャリアの軸が定まらずに必死で自分の道を探そうとしていて迷走していてとても苦しかった。当時の彼女にも指摘されていた。
そんなときに祖父が亡くなって、案の定大好きだった彼女に振られて、さらに心の支えになっていた人も失うということが1か月の内に立て続けに起きたそんな矢先、ぼくは仕事で大きなミスをして会社を数日休んだ。

 

そこから自分を見つめ直し、人生の軸を見つけ出す過程の中で決めたのが

「どれだけイタく思われようが気にしないで思うように生きる」ということ。

本当に自分の生きたいように生きるには、他人からどう思われているかとか考えていたら無理だと、3年前のぼくは判断した。

 

今一度、肝に銘じて余計なことで落ち込んだり悩んだりするのはやめて、
自分の思うように生きようと思った日曜日だった。

 

 

 

 

『花束みたいな恋をした』は生々しすぎて泣けない。

今回は、2021年1月に公開された映画『花束みたいな恋をした』を久しぶりに観て(3回目)思ったことを書いていく。

 

※資格試験を終え、酒を飲みながら書いた論理性も新奇性もない文章なので、心と時間の余裕がある方だけ読み進めてください。

 

菅田将暉×有村架純「花束みたいな恋をした」 坂元裕二らしさがあふれる本予告完成 : 映画ニュース - 映画.com

 

菅田将暉有村架純の物語を、自分たちの物語に思わせるすごさ

 

この間、友人と遊ぶ日を決めた。その日がなんか気になって、
何の日だっけと考えていたら、思い出した。

山根麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)が付き合い始めたのは2015年。まだみんな有線イヤホンを使っていて、きのこ帝国が人気になっていたあの頃、ぼくもその後3年間続くことになる、彼女ができて...

 

 

というように、『花束みたいな恋をした』は、観る人にその物語を、自分の物語に見せる仕掛けがいくつもされていて、すごい。

 

とにかく、権利の問題でふつうは映画の中で出せないような固有名詞(楽曲、書籍、映画、TV番組など、名前だけではなく実物も)がふんだんに使われていて、観ている方にとっても、「あー、そんなときだったな」と同じ世界に没入させるいい仕掛けになっていた。

 

また、物語の内容も、そこらへんに転がっていそう(に思える)なものになっている。

ざっくりこの話の内容を書くと、

 

・夢を持っていた若者が社会に押しつぶされて、現実に向き合わざるを得なくなり、
 その対応の仕方の違いによって2人がすれ違ってしまう話。

 麦(菅田将暉):夢を捨てて現実に向き合う。
 絹(有村架純):夢を捨てずに希望を持ち続ける。

・「恋愛」という理想が、「社会」という現実に侵食されていく話。

・「学生のときの恋愛と、社会人の恋愛って違うよね~。」

 →「学生のときみたいな恋愛なんてもうできないよね~。」

 

こんな感じを見て、わかる通り、
世の中にありふれてありふれて、こすられにこすられすぎたテーマである。

 

あまり明るいテーマではないので、映画にするときは、
無理やりハッピーエンドにしたり、終わりを描かなかったりするものが多いんだけれど、この映画は終わるところまでしっかり細部まで描いていて、生々しい。

 

だからこそ泣けない。

 

ラ・ラ・ランド』はあんなに泣けるぼくが、泣けないのだ。

 

achten.hatenadiary.com

 

でも、恋愛に対する考え方っていうのはこの2作品は共通している部分があると思っていて(というより、ぼくが同じ見方をしているのかもしれない。)、

それは、「良いとか悪いとか、めでたいとか悲しいとかじゃなくて、思い出は思い出として心の奥の方に置いておこう。」というスタンスである。

 

 

「花束みたいな恋をした」のタイトルの意味の考察に

「『花束を捨てる場所を探す男と、花束を飾る場所を探す女』、という皮肉」というものをネットで見つけたけれど、

 

「花束のようにきれいで、しかしすぐ枯れてしまうように儚い贈り物をもらった」くらいにぼくは考えている。

 

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新卒から4年間働いた百貨店を退職します③【百貨店のこれから編】

■結論

百貨店のこれから進むべき道は、

縮小均衡

・百貨店事業の縮小・不動産業への転換

 

新卒から4年4か月働いた会社(大手百貨店)を 退職することになった前回の話はこちらから↓

achten.hatenadiary.com

achten.hatenadiary.com

 

このブログを読んでくれている百貨店関係者の皆様へ

この記事は、
ぼくが、百貨店がこれからどうしていくべきなのかという妄想を吐き出したものです。

 

ブログを始めて2年、数は少ないながらも、同業界で働く方から共感のコメントをもらったり、
同じ会社の会ったこともない後輩社員からメッセージが来たり、
「百貨店 将来性」が、最も多い検索流入キーワードになったりするなど、
百貨店関係者に読んでいただいているようです。

今回は、その方々に向けた最後の記事になります。

 

どうしてもイタい内容になってしまうと思いますが、
誰かに伝わって、くれればいいなと思って書きます。

 

 

 

イムリミットはあと5年

 

www.mag2.com

 

上記の記事では、

百貨店・大手4社(三越伊勢丹高島屋J.フロント リテイリングエイチ・ツー・オー リテイリング)の21年3月期(2月期)の決算と、最新の中間決算の現金預金をもとに、あとどのくらいで現金預金が枯渇するか(=各社の余命)を試算しています。

 

※試算の前提
売上総利益は、コロナ以前の7割。
販管費はコロナ以前の8割。

 

結果は下記の通りです。

 

三越伊勢丹:5年9カ月
高島屋:8年
フロント リテイリング:5年3カ月
エイチ・ツー・オー リテイリング:11年5カ月

 

コロナ後の経済回復を全く考慮していない、めちゃくちゃにざっくりな試算ではあるのですが、「仮にこのままいったらこうなる」という目安としては参考になると思います。

百貨店業界は斜陽産業と言われて久しいですが、
(ぼくが勤務していた百貨店の部署の先輩(40代中盤)が入社したときから、そんな空気がすでにあったそうです。)

長年勤めてきた百貨店社員からすると「ついにここまで来たか...」という感じではないでしょうか。

イムリミットはあと5年、それまでに利益構造を抜本的に変えなければ生き残ることはできない、と考えていたほうがいいでしょう。

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https://www.fashionsnap.com/article/2021-05-04/departmentstore/

 

①長期的には縮小均衡を目指すべき

 

1社何千人も抱える経営陣からはこんな言葉は口が裂けても言えないことですが、
ぼくはもう部外者なのではっきりと言えます。

 

日本人の総所得に対して、百貨店は多すぎます。

もっと言うと、地方の百貨店は必要ないと思います。(一部の地方中枢都市は除く)

地方百貨店が消える理由、相次ぐ老舗百貨店の倒産は「市場消滅」の前兆か? 【連載】成功企業の「ビジネス針路」|ビジネス+IT

 

以下2点が理由です。

・日本の総人口が減少している。(特に、人口流出により地方の人口が減少している。)

・中間層の所得が減少している。

→そもそも需要が少なくなっているし、ショッピングセンターやアウトレットと差別化できていない百貨店は存在意義が見いだせない。

 

「東京・大阪・その他一部の中枢都市にだけ、店を構え、希少性を上げ、
オンラインストアを拡大させることにより、

売上も大きく下がるが販管費も下げることによって利益を毎年出す」

という形が理想的であると考えます。

 

もちろん、雇用を守るという最大の課題もあります。

それについては、②で書く不動産業、その他新事業への配置転換をしながら、
なんとか出血を少なくし、徐々に徐々に高度を下げながら着陸させるしかない...と思います。

 

②百貨店事業の縮小・不動産業への転換

こちらの記事を引用します。 

achten.hatenadiary.com

 

「百貨店業を縮小させ、不動産業への転換を進める」

 

こと。

 

ぼくはこれが百貨店が、百貨店という形をできるだけ残すことができる唯一の道だと思っています。

 

現在、沈みゆく百貨店業界には2つの大きな動きがあります。

 

(1)「サービス」という百貨店の武器を磨き直し、百貨店道を極める。

百貨店が他の小売店より唯一秀でているサービス力を生かし、コンシェルジュサービスなどで、ネット通販や他の小売業と差別化し、活路を見出そうとする動き。

具体的企業:三越伊勢丹

 

(2)「脱百貨店」不動産業に転換

「百貨店」という形にこだわらず、テナントを入れ、安定した賃料収入を得る不動産業へ転換していこうという動き。

具体的企業:J.フロントリテイリング(大丸松坂屋·パルコ·GINZA SIXなどを運営)

 

ぼくはこの2つの要素がどちらも重要だと思っています。

ぼくが予想する百貨店の将来像は、

 

本店レベルの旗艦店(銀座三越·新宿伊勢丹·日本橋高島屋·松屋銀座など)

「ハイレベルなコンシェルジュサービス」「レトロ感」を売りにした店舗

 

都心店も含むその他の百貨店(西武渋谷·新宿高島屋·千葉そごうなど)

→百貨店要素を5%だけ残したテナントビル

 

このような形です。

不動産業への転換、つまり「ショッピングセンターを作るデベロッパー化」が有効であるということは、すでにJフロントリテイリングが証明しています。

piles-garage.com

 

一方で、ぼくは本店レベルの旗艦店には2種類の需要が見込めると考えています。

 

ひとつめは「ハイレベルなコンシェルジュサービス」です。 

すでに百貨店には外商という他の小売店にはない富裕層向けのサービスがあり、

強力な収入源になっています。

アイテムやブランドの垣根を越えて商品やライフスタイルを、マスだけではなく個人に提案できるのは百貨店の強みです。

そういったコンシェルジュサービスを店頭でも強化できれば、

とても強力なサービスになると考えます。

 

 ふたつめは、「レトロ感」です。

おそらく、数十年後、小売業の中で最後まで人がレジを打っているのは

百貨店だと思います。

 

50年後の地方から東京に観光しに来た若いカップルが

「百貨店ってまだ人が接客してるらしいよ!面白そうだから行ってみようよ!」

という感じで、残り僅かな数になった百貨店に来るという未来をぼくは予想しています(笑)

 

現在でも、日本橋高島屋日本橋三越の建物が重要文化財に指定されるなど、

レトロ感を感じられる内装や外装の店舗がいくつかあります。

また、エレベーターガールもその要素のひとつです。

 

100年以上の歴史がある「老舗百貨店」というブランドも相まって、

こういった魅力は未来にも残り続けるだろうと思います。

 

 

以上に加え、

・高所得のお得意様を多く抱えているという強みを生かした周辺事業の展開

→金融サービス、不動産サービスなど

 

・ショッピングセンターに限らない広い範囲(オフィスビル、ホテル、・リゾートなど)を取り扱うデベロッパーになること

 

なども有効であると考えています。

 

 

若手を抱える百貨店の先輩社員へ

 

今年だけで、
ぼくの同期が4人退職しました。

近い年次の先輩・後輩も、退職するという話を何件か聞きました。

それだけ、今百貨店業界の転職市場での優位性が弱まってしまっているということだと思います。

このままだと、業界全体がベテランだらけの、新しい風が入らないという、非常に不健全な状態になってしまうのではないでしょうか。

 

最後に、ぼくが退職する前の最後のチームミーティングで話した内容を
ここにも書きたいと思います。

 

「若手に裁量と責任を持たせてください。

ぼくたち、特にアベノミクスの好影響を受けた2013~2020年入社の世代は、

百貨店不況が叫ばれて久しいこの時代に「あえて」百貨店を選んで入社した世代です。

つまり、なにか百貨店自分でやりたいことがあって入社してきた人が多いということです。
ぼくもそうでした。

コロナで本来業務以外の業務も多くなってしまい、
とても大変な状況ではありますが、若手がやりたいことに取り組める環境をどうか少しでも残してあげてください。

どうかよろしくお願いします。」

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