今回は、大企業→ベンチャー企業(中小企業)という転職をした僕が感じた違いの一つである、「ベンチャー企業では左派勢力が存在しないに等しい」というテーマで書いていこうと思います。
結論は「ぼくは『圧倒的その他』に居続ける」です。
右派・左派って知ってる?
政治的立場を表す言葉で、「右翼・左翼」をよりマイルドにした言い方。
フランス革命期の議会で、議長席から見て左側に急進派、右側には保守派が座ったことに由来。
※大学受験のときに政治・経済選択でしたが、改めて書籍を読んで勉強し、自分の言葉でまとめてみました。時代や国、場合によって定義が変わる言葉なので、このまとめ方が間違っている場合も往々にしてあり得ます。
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これを会社の中の話に落とし込み、定義します。
- 会社内右派:会社の伝統的な経営を支持。
(設立から日が浅いベンチャー企業では必然的に与党。現政権に対して協力的。) - 会社内左派:会社の経営について革新を求める。
(設立から日が浅いベンチャー企業では必然的に野党。現政権に対して批判的。)
社内左派が大きな力を持つ大企業
※ここかからは、というかこの記事全部、大企業1社、ベンチャー企業1社しか経験していない計2社しか経験していな僕の主観によるものということをご理解ください。
ぼくが今年経験した転職を、会社の規模の面から端的に表すと下記のようになります。
- 売上:1兆円規模→10億円規模(約1,000分の1)
- 従業員:1万人規模→数十人規模(約200分の1)
前職の場合、組織が大きく全国に店や事務所があり、人数的要因、地理的要因という多数の勢力(派閥)が存在するのに必要な要因が揃っていました。
(とはいえ、一人の社長の下にすべての社員が集う企業として、「上が決めたことは必ず実施しなければいけない」という中央集権的・官僚制的な側面ももちろん持っていました。)
自分がもともといた職場を思い出してみても、
現政権に対して批判的な立場を取る部長・次長クラスの方もたくさんいました。
つまり、そのようなスタンスでいても、ある程度までは出世できるということです。
また、労働組合という会社公認の左派勢力が力を持っていることも大企業の特徴です。
厚生労働省の調査によると、労働組合の推定組織率は、全体では16%であるのに対し、1000人以上の大企業が41.8%と、数値には大きな開きがあります。
《参考》
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/20/dl/gaikyou.pdf
僕の前の会社では、各支部で毎月、労使会議が行われています。
例えば、コロナ禍になった際、店の営業時間や、毎期の賞与の額についても、経営陣と労働組合で協議・交渉を行い、妥結をしてから決定していました。
労働組合があることにより、経営陣に対し、批判的な意見・空気を醸成する土壌ができているということが言えるのではないでしょうか。
社長としゃべったことある?
ベンチャー企業では左派勢力が存在しないに等しい。
これは転職して思ったことです。
基本的には、現政権に対して、社員は一義的な意見を持っています。
分析するに、やはり、人数的要因と地理的要因が関係関係していると思います。
僕の今の会社では、同じフロアに社長室があり、エレベーターで社長と一緒になることもありあります。
しかし前職でこんなことは考えられませんでした。
入社式でしゃべるチャンスがあるかどうかという程度で、
ぼくは前職の在籍中、一回も社長としゃべったことはありませんでした。
社長や役員が同じフロアにいる中、会社に対して批判的な会話を社内でするのは、
心理的にも無意識のうちに抑制がかかるのは想像に難くありません。
よって、心の中で思っている会社の批判的な気持ちを他の社員と話して、共感し、より強い世論に昇華していくことは起こりにくいのではないでしょうか。
エセ左派を気取って研修中に寝ていた前職新人時代
恥ずかしい話ですが、ぼくはもともと就職活動が納得感のないまま入社してしまったこともあり、エセ左派を気取っていました。
具体的には、
- 入社式の偉い人の話を聞きながら、「これはダメだ、長くこの会社にはいられない」と勝手に思い、入社式のその日のうちに転職サイトに登録する。
- どうせすぐ会社をやめるから同期と仲良くする意味もない、と思い、同期の飲み会に行くのを控える。
- 学力的には同期の中でトップ層だったこともあり、また、人の話を長い時間聞くことが苦手(眠くなってしまう)なため、座学の研修中に居眠りをしてしまう。または寝ないために数学の公式の証明を解く。(が筆記テストでは1位、じゃなくても上位)
- もともと気を利かすことが苦手ではあるが、新人が気を利かせて進んでやらなければいけない仕事に気づけなくても、「自分は自分だ」という謎の信念で、あきらめる。
などなど、今考えるとダサくて、恥ずかしい奴でした。
本当の左派というのは、組織や社員のことを真剣に考えて、組織をただし方向へ導く信念の持っている人のことを言うのだと思います。
このように組織を変革する覚悟がないまま左派を名乗ると、ただのダサい奴になってしまいます。
では、ぼくはどうするか。
以上を踏まえて、ぼくは今の会社でどのポジショニングを取るのか。
結論は「ぼくは『圧倒的その他』に居続ける」です。
ぼくは今の会社の雰囲気に自分の体をすべて委ねることができるかと言われれば、無理だし、転職してきた身として、寧ろ違和感を感じることもある。
かといって会社がどのような姿になっていけばいいのかというビジョンがあるわけでもない。
だからぼくは、右派でも左派でもない『圧倒的その他』に居続け、自分の目の前の仕事に取組みながら冷静に会社を見ていこうと思います。
画像は11月に奥多摩に旅行に行ってきたときの「払沢の滝」