仕事終わりに、一杯飲みたくなる気持ちがわかるようになってきた今日この頃。
そういうときはだいたい日高屋に行くんだけど、「中華じゃないな~」というときはプロントに行きます。
そこで、今回は
「プロントすげぇな!」
と思った理由をまとめていきます。
1.プロントの会社概要
(画像は会社ホームページより引用)
サントリー傘下で、売上高は271億円(2018年)、
店舗数は336店(FC店を含む)
店舗数でいけば
スタバ、ドトール、コメダ、タリーズに次ぐ業界5位という立ち位置です。
会社ホームページ(https://www.pronto.co.jp/company/outline.html )より引用
社名 |
株式会社プロントコーポレーション |
---|---|
設立 |
1988年2月 |
代表者 |
代表取締役社長 竹村典彦 |
資本金 |
1億円 |
従業員数 |
320名(2019年3月) |
売上高 |
271億円(2018年) |
総店舗数 |
336店(2018年12月) |
事業内容 |
PRONTO・CAFFE SOLARE・IL BAR・espressamente illy・Di PUNTO・È PRONTO等の企画・運営・経営・及びフランチャイズ展開とコンサルティング |
事業所 |
本社 〒108-0075 |
プロントの経営の最大の特徴は
昼はカフェ、夜はバーと営業形態を変えるいわゆる「二毛作経営」
オーダーの仕方も昼と夜で変わっていて、
昼は、カウンターで注文して先払いするその他のコーヒーチェーンと同じ形式。
一方、夜は入店すると人数とおタバコを聞かれて席を案内されるレストラン形式。
「時間帯に合った営業形態を取ることによって、高収益化を図る」
(≒カフェ利用が少ない夜は、バーにすることによって客数を増やす)
(他の例)夏はゴルフ場、冬はスキー場というアミューズメント施設
という理解は直感でできていたのですが、
実際に最寄駅のプロントを、昼夜ともに利用したことによって、
さらに一歩先の気づきがありました。
2.プロント理論
それは、
朝昼夜で客層が違う
ということ。
・朝(カフェ、モーニング)→高齢者、サラリーマン
・昼(カフェ、ランチ)→高齢者、主婦
・夜(バー) →サラリーマン、若者
つまり、プロントの二毛作経営の本当の利点は、
幅広い層にアプローチできること。
(逆説的に言えば、
本作と裏作の顧客は分けて考えるべき。)
ぼくはこれを勝手に「プロント理論」
と呼んでいます(笑)
3.プロントの1日
~プロントの朝~
東京の下町という地域の特性もあってか、
店内の7割がおじいちゃん、おばあちゃん。
ホットコーヒーは1杯240円(レギュラーサイズ)でドトールよりは高いが、近隣のコメダ、スタバよりは安く、手軽。
朝10時半までのモーニングにあるトーストセットは、
トースト、コーヒー、サラダ、ゆで卵orヨーグルトまでついて390円
と、とても手軽なので、残り3割の出勤前のサラリーマンが、スマホを片手に堪能している。
~プロントの昼~
引き続き、店内の多くはおじいちゃん、おばあちゃん。
そこに子供を保育園に送り出して家事を終えた主婦が加わる。
ママ友なのか、2〜4人組が多い。
ランチは600〜800円台のお手頃価格パスタがメインで、
量も成人の男でも十分満足できるほどあり、満足感は高い。
ドリンクもみな注文しているので、単価は1000円程度か。
~プロントの夜~
おじいちゃん、おばあちゃんはいなくなり、
仕事終わりの男女、Macbookをいじくり作業をする若者が店内を占める。
夜からはアルコールが提供され、今の時期に推しているのは
590円の凍結レモンサワー。
フードメニューにはパスタの他にピザやソーセージなどお酒に合うものを揃えている。
単価は1400円くらいになりそう。
5分おきくらいにレモンサワーを頼む仕事終わりと思われるおじさんがいてすごいなと思ったが、どうやら、
「1時間飲み放題980円」
というプランがあるよう。
とてもコスパがいい。
4.まとめ
·二毛作経営の利点は、ただ単に営業時間を長くできるようになるだけでなく、
本作では接点がなかった層に裏作でアプローチすることができること。
·二毛作経営は飲食業での流行りだが、
形態を変えることで異なる層に訴求できるということは、
他の業態にも応用できるかもしれない。
~以下つぶやき~
百貨店では、(二毛作経営とはずれるが)食料品だけを取り扱う新ブランド名を付けた店(クイーンズ伊勢丹、タカシマヤフードメゾンなど)を作って、若年層にアプローチしている。
そういった取り組みは次世代顧客の獲得には有効かもしれないが、そこで獲得した顧客が将来の本作の顧客に直結するとは考えてはいけないと思う。
裏作は裏作なので(バーの客はバーの客)、本作(カフェ・ランチ)の顧客にしたいのであれば、また別の取り組みが必要ではないか。