ストリーミングかレコード、どっちつかずが一番まずい
アメリカで、レコードの売上がCDを33年ぶりに上回った。(2020年上半期)
レコードの売り上げは物理的な媒体全体の62%を占めたが、物理的な媒体全体の売り上げは前年同期比23%減だった。RIAAはこれについて、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって、販売店が閉鎖されたためとしている。
だが、レコード市場はいまでもニッチなままだ。RIAAによると、今年上半期の収入の85%がストリーミングによるもので、前年同期比12%増の48億ドル(約5094億円)に上った。定額制(サブスクリプション)サービスの利用者増加が一因だという。
・音楽をストリーミングで提供するサブスクリプションサービスの利用者が大きく増加し、
物理的な媒体(CD・レコードなど)の売上が減少している。
・現在アメリカでは、コアな音楽ファンや若手を中心にアナログレコード人気が再燃。
→結果、レコードがCDの売上を上回った。
ちなみに日本では、
まだまだCDの売上が高く、レコードがCDを超える日はまだ先になりそうだが、
CDの売上は年々減少し、レコードの売上は年々伸びいるとのこと。
ぼくはこのニュースを見たとき、頭の中でパッと思いついた構図がこれだった。
レコード:レトロ、不合理的、本質、伝統、物質
↑
CD:二者の中間。どっちつかず。
↓
ストリーミング:現在、合理的、現象、革新、デジタル
より便利、快適、効率的な新しいものに価値がつき、それが普及するとそれまで新しかったものは次第に価値を失っていく。
しかし、度を越して古くなったものには、懐古的、歴史的、文化的な価値を持つことがある。
今回の音楽媒体の例でいけば、CDはストリーミングの技術・サービスの登場により、価値を失った。
一方でレコードはCDによって使われなくなってから時間が経ち、懐古的な価値を持つようになった。
(おそらく、CDもあと50年すれば、レトロな価値を持ち始めるはずである。)
百貨店はCD
百貨店はCDと同じではないだろうか。
日本では百貨店という業態が誕生したのは1905年(株式会社三越呉服店)。
その頃は、間違いなく百貨店は革新的なものだったはずだ。
しかし、1990年代にバブルが崩壊し、インターネットが発達した現在において、
もう決して「革新的」とは言えない。
かといってレコードのようなレトロ感もない店が大多数だ。
ぼくは、以前にも書いた通り、本店レベルの店はレコード側に思いっきり振り、
それ以外の店については、百貨店という業態にこだわらず、SC化してストリーミング側のアプローチをすべきだと考えている。
本日はここまで。