アラサー元百貨店マンの思考整備工場

都内大学→新卒百貨店→広告代理店。人生2周目を迎えた名もない人間の物語を書きます。

販促担当が他店のバレンタイン催事を見に行ってきた【百貨店】

 

今年も、バレンタイン商戦が佳境を迎えている。

 

今日は休みということで、他店の百貨店のバレンタイン催事を勉強目的で見に行った。

 

そもそも百貨店のバレンタインの催事と言って、ピンときているだろうか?

 

催会場に、数百の国内外のチョコレートブランドを誘致し、販売しているアレである。

日本には店舗がなく、1年でバレンタインの時期にしかお店を構えない海外の高級ブランドが出店するということもあり、普段百貨店なんかにこない若い世代にも人気な催事となっている。

 

百貨店側からすると、

スーパーやショッピングセンターなどの他の商業施設にはない、百貨店の優位性を

生かせて

かつ、需要があるという、百貨店の数少ない人気・優良コンテンツとなっている。

 

また、普段百貨店に来ることがない、若い層(20代~40代女性)が来店する貴重な機会、という意味合いもある。

 

ぼくは以前、菓子売場担当だったということもあり、百貨店に入社してからは、

毎年他店のバレンタイン催事を見にいくことが恒例となっている。

 

 

今年、見に行ったのは次の5店。

日本橋三越

銀座三越

松屋銀座

西武池袋本店

東武百貨店池袋店】

 

各店、販売促進担当の視点で、メモ替わりに気になったことを書いていく。

消費者目線ではないのであしからず。

 主に、「テーマ」「コロナ対策」「販促策」「装飾」という観点で見ていく。

 

 

 

「スイーツコレクション/あんこ博覧会」【日本橋三越

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2021三越のバレンタイン|日本橋三越本店 | 三越伊勢丹オンラインストア【公式】

 

バレンタイン催事を和菓子とのコラボ催事に

例年にはない和菓子とのコラボ

同じ催会場内にチョコレートゾーンとあんこゾーンを作り、

洋菓子目当てに来た客と、和菓子目当てで来た客の相互送客を促している。

単価アップと新規顧客の開拓が狙いか。

 

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会場内看板

什器の間隔を空けて密対策

通路の広さを確保するため、例年と比べ、明らかにブランドの数を減らしていた。

また、混雑時、入場制限をする場合があるとの告知をホームページ等でしていて、

「目に見える密対策」をしていた。

 店内は混雑していたが、什器の間隔を空けているため、そんなに密密しくなかった。

 

装飾・広告は控えめ【経費削減?】

会場内各所にある「Chocolate Synchronize Anko」というタイトル看板や、

ブランド名を表示してある天吊り看板など、簡素な作りにしてあった。

また、今回はほとんど広告を打たずに、SNS中心の告知に切り替えていて、

経費を削減し、少ない経費で成果を最大限に出す、という姿勢が見て取れる。

 

「銀座スイーツコレクション2021」【銀座三越

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https://www.mistore.jp/shopping/event/ginza_e/valentine_51

2021三越のバレンタイン|日本橋三越本店 | 三越伊勢丹オンラインストア【公式】

会場は小さめ。SNSキャンペーンを実施

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会場

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会場内SNSキャンペーン案内看板

銀座三越のバレンタイン催事は今まで行ったことがなく、初参戦。

新館7階で開催されているのだが、会場が思いのほか小さく、他店を見ていると若干物足りなさを感じるかもしれない。

 

バレンタイン催事で来る若い層に合わせ、InstagramTwitterの両方を使ったSNSキャンペーン(フォロー+投稿・リツイートすると抽選で賞品がもらえる)を実施していた。

 

 客層は、体感だが、30代~60代の女性が多かった。

銀座という土地柄か、他店と比べて20代女性は少ない印象。

 

試食は禁止。かわりに袋に入ったチョコを配布

コロナ対策として、試食は禁止している百貨店がほとんどである。

銀座三越では試食の代わりに、各ブランドが個包装されたチョコを配布していた。

渡される際には、「会場内では食べないでください」と販売員が一言添えることが徹底されていた。

 

「GINZAバレンタインワールド」【松屋銀座

 

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https://www.matsuya.com/ginza/events/2021/0104/valentine/

GINZAバレンタインワールド | 松屋銀座

 

切り口はピカイチ【"日本らしいバレンタイン"を体現】

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1階入口ショーウィンドウ

店内に入る前に目についたのは、入口のショーウィンドウのアートワーク。

説明文を読んでみると、松屋銀座は「日本らしいバレンタイン」を提供したい、とのこと。

 

会場に行くと、その意味がわかった。もはや定番になってる海外ブランドの他に、

日本各地の「地域食材」と、ショコラティエ・パティシエ・和菓子職人とコラボしたスイーツを用意していた。

 

和菓子を一緒に並べることは、前述の日本橋三越や後述の池袋東武でも行っていたが、

こういうコンセプトをしっかり提示して、伝えているのはさすがだな、と思った。

 

広々とした会場。試食はガイドラインに則って実施

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広々とした会場

通路を広く開けて、感染防止対策を行っていた。

試食については、「ガイドラインに沿った試食を行っています。」的な文言のPOPを掲出しながら、一部解禁していた。

 

入口にてLINE友だちを登録を訴求

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会場入口にてLINE友だち登録募集

 

会場の入口でLINEともだち登録をすると、リーフパイを1枚プレゼントするという取り組みを行っていた。

たしかに、QRコードを読み込むことになれている若い層には刺さる施作だと思った。

(しかし、これ用に人を配置することができる、経費に余裕がある百貨店は少ないだろう。)

 

チョコレートパラダイス2021【西武池袋本店

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https://www.sogo-seibu.jp/ikebukuro/topics/page/1497011.html

[7階催事場]チョコレートパラダイス2021 |西武池袋本店|西武・そごう

 

「コロナ?そんなの知らん」ばりの賑わい

 

会場に到着したのは閉店30分前の18時半頃だったが、

たくさんの人がいて、緊急事態宣言という言葉を忘れてしまうような盛況ぶりだった。

 

「池袋」「駅直結」「西武」という要素もあってか、

客層は20~40代の女性が多く、他店と比べ「若い」印象。

 

通路幅は特別広く取っている感じはなく、たくさんのブランドが出店していた。

ただ、イートインコーナーについては、飛沫防止シート(色がついていて、しゃれていた)によって区切ることによって、しっかり感染防止対策をしていた。

 

見ていて楽しい

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装飾にも手を抜かない



ブランド数が多く、会場内の装飾もしっかりしていたり、

いろいろな販促策があったりで、見ていて飽きなかった。

 

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第二会場もある。

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「Pick Go 買い物」バレンタインを機に利用促進を図っている。

Chocolat Marche<ショコラマルシェ>【東武百貨店池袋店】

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http://www.tobu-dept.jp/ikebukuro/event/detail/3453

みんなとつながる、ショコラ時間。Chocolat Marche<ショコラマルシェ>|イベントガイド|東武百貨店

 

十分に間隔を空けた配置。イートインスペースも広い。

会場に行って「スカスカ!!」と思った。

通路幅を十分に空けていた。

また、イートインスペースを広く取っていて、

飛沫防止シートの使用はもちろんのこと、

整理券を使い、密にならないように気を配っていた。

 

和菓子やベーカリーも配置

前述の日本橋三越松屋銀座と同じく和菓子ブランドも会場内に配置していた。

また、フルーツサンドで有名な「シャンパン・ベーカリー」など、チョコレート以外のスイーツも取り入れいていて面白かった。

 

まとめ

・こうして改めてまとめてみると、各店ごとに特徴が出ていて面白かった。

・バレンタイン催事は、百貨店にとっては若い客層との貴重な接点になるので、

やはりSNSを使用したキャンペーンを行うのは各店共通のようである。

 ・和菓子とのコラボもトレンド。

 

個人的なおすすめは「松屋銀座」と「池袋西武本店」。

企画として面白く、ボリュームもある「松屋銀座

とにかくバレンタインを楽しみたいなら「池袋西武本店」

 

 以上!